海外で病院受診すると、治療費が日本では考えられないほど高額になることがあるので、海外に行く前に海外旅行保険に加入するか検討されると思います。
そんな時、海外旅行保険が付帯されているクレジットカードを所有していたら、新たに加入しなくても治療費が補償されたり、キャッシュレス受診が可能になることがあるのでとても便利です。
ですが、いざという時に使い方が分からず、医療費を実費で支払った経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は海外で病院受診する際の、クレジットカード付帯の海外旅行保険(以下:カード付帯保険)の使い方をご紹介します。
1.カード付帯保険の内容を確認
カード付帯保険の補償内容や補償期間、保険金額はクレジットカード会社(以下:カード会社)によって異なります。カード会社のウェブサイトやクレジットカードの契約書などを必ず確認しましょう。
また、カード付帯保険が適用される条件もクレジットカードによって異なり、これには大きく分けて「自動付帯」と「利用付帯」の2種類あります。
「自動付帯」は、カードを所有しているだけで海外旅行保険が適用されますが、「利用付帯」はクレジットカード会社が指定する条件を満たさなければ保険が適用されません。
「利用付帯」の場合は必ず条件を確認しましょう。
2.適用条件を満たす
「利用付帯」の適用条件とは、例えば、海外旅行で利用する電車やタクシーといった公共交通機関の料金や、募集型企画旅行の代金を支払うなどです。支払い方法は、クレジットカードを利用することが求められます。
そして、利用明細を提出する必要がありますので、利用明細を印刷するか、スクリーンショットで保存しておき、このデータを送付できるようにしておきましょう。
3.必要な書類の準備
海外旅行保険のサービスとして、「キャッシュレス受診サービス」が受けられることがあります。キャッシュレス受診は、病院で治療費を支払う必要がありませんのでとても便利です。
このサービスを希望する場合は、主に以下の3つが必要となります。
・パスポート
・日本出国を証明するもの
・カード利用明細(利用付帯の場合)
これらは原本がない場合はコピーでも構いません。日本出国を証明するものは、パスポートに押されるスタンプや搭乗券、Eチケットなどが有効です。
治療費を実費で支払い、帰国後に保険金を請求する場合は、上記3つに加えて、主に以下の書類が必要となります。
・保険金請求書
・医師の診断書
・治療費の明細書および領収書
・支出を証明する書類(交通費の領収書など)
・事故の場合は、事故を証明する書類
必要書類は、必ず事前にカード会社に確認しておきましょう。
私は日本出国を証明する書類ではなく、帰国時の書類を提出したことがあります。間違えないように気をつけてくださいね。
4.問い合わせ先(サービスデスク)の確認
クレジットカード会社のウェブサイトやクレジットカードの契約書などに記載されています。
滞在する国によって問い合わせ先が異なる場合がありますので、必ず事前に確認して控えておきましょう。
5.病院受診時の流れを知る
病院を受診したいと思ったら、上記の問い合わせ先(サービスデスク)に連絡しましょう。
キャッシュレス受診サービスを受けられる場合、保険会社が提携している病院を案内してくれます。病院を受診したら、受付でキャッシュレス受診サービスを利用することを伝えましょう。
キャッシュレス受診サービスを受けられない場合は、治療費はすべて実費で支払うことになります。カード会社に連絡した際に、帰国後請求する時に必要な書類は何か確認しておきましょう。
もし十分な現金が手元にない場合は、クレジットカードで支払うことが可能か病院に確認しましょう。
フィリピンのマニラやセブ島には、キャッシュレス受診に対応している「ジャパニーズヘルプデスク」があります。病院内のアテンドや通訳、薬の準備などサポートしてくれますので、安心して受診できます!
6.カード付帯保険使用時の注意点
カード付帯保険を使う際に、特に注意が必要な点を4つご紹介します。
①補償期間は約90日間と限定されている
補償期間はカード会社によって異なりますが、多くは「出国日(またはその翌日)や出国後にクレジットカード払いをした日から90日間」です。
90日以上旅行や留学することを検討している場合は、すべての滞在期間が補償される海外旅行保険に加入することをお勧めします。
②保険金請求に必要な書類の中に、現地でしか入手できないものがある
帰国後にカード会社に保険金を請求する際に、現地でしか入手できない書類があります。例えば、医師の診断書、事故の場合は事故を証明するものです。
帰国後に入手することは困難ですので、必ず現地で受け取りましょう。
医師の診断書(Medical certificate)は、受診した際に、病院のスタッフに必要だと伝えておくと良いでしょう。
③補償の適用外になる病気やケガがある
以下の治療については、補償の適用外となることがあります。
・日本出国前から治療してる病気や既往症に対する治療
・妊娠中、出産、早産、流産やこれらに基づく病気が原因で生じた治療
・歯科治療(疾病)
・特定の危険なスポーツによって生じたケガに対する治療
カード会社に連絡する際に、状況や症状を説明し、補償の適用となるか確認しましょう。
④19歳未満の子どもの保険について
クレジットカード会社によって、「家族特約」というサービスが付いていることがあります。これは、クレジットカード所有者の家族のうち、19歳未満の子どもが補償対象となるサービスです。
ただ、旅行代金のかからない子どもは、保険適用条件を満たしておらず対象外となることがあります。対象外の場合は、加入できる保険の加入などを検討しましょう。
特に子どもは慣れない環境では病気しやすく、病院に受診する機会があると思いますので、保険に加入しておくことをお勧めします。
7.まとめ
海外では、自分が思っている以上に病気になったりケガをする機会があります。
特に長期で海外に行く際は、海外旅行保険の加入や使い方について、事前によく考え確認しておきましょう。
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